様々な視点から見たリアル【リアリティのある映画】
最近、ネットフリックスで映画を見ていたら、あることに気が付いた。
私が見ている映画のほとんどが、リアリティを追及している映画であることだった。
試しに、少し調べてみた所、映画には色々なリアリティが存在していることが分かったのでまとめてみた。
目次
調べて気づいたこと
ネットフリックスで見ていた映画では、特に3つの要素が重要ではないかと気が付いた。
それは、「物語」、「演技」、「撮影」である。
なぜ、この3つの要素が重要なのかは、以下の理由だと感じたからだ。
作品に風を与える物語
近年のアカデミー賞にノミネートされる映画の中では、社会派ドラマといったリアリティ要素を帯びている作品がノミネートされやすい。
その中でも、ネットフリックスオリジナル映画である最後の追跡(2016年公開)は、他のノミネートされている映画とは、物語の脚本が一風変わっているのだ。
本作品のテーマは、あくまでも”銀行強盗”でありながら、現代的な背景を残した西部劇となっている。
また、登場人物として物語を支える柱となるのが、冷静沈着で計画的な弟が犯罪に手を染めてしまうのがリアリティ要素を引き立てる要因となる。
彼が、強盗犯として犯罪に手を染めてしまうのは、母親が残した多額の借金を銀行から返済しなくてはならないということだ。
これは、テキサス州西部に位置する貧困層といった部分を切り取り、作品の舞台として取り入れることで現代的なリアリティを維持しながら、強盗犯の荒くれ物という古風な西部劇を作り上げることができたのだろう。
人物に命を吹き込む演技
物語である脚本に風を与えることで、リアリティな要素を取り込めることができる。
だが、役者の演技によって創作の人物が命を宿すことができるのだ。
アメリカ軍の特殊部隊をテーマとしたネイビー・シールズ(2012年公開)の作品がある。
この作品では、アメリカ海兵隊の特殊部隊であるNavy SEALsの隊員達が、実際に出演をしている。
また、劇中に登場する隊員達の装備なども、本物のNavy SEALsが使用する装備を使っているという。
作中の銃撃戦で使用される銃弾は、本当の実弾を使用している。実弾を使うことにより、映画を見ている人達に臨場感を与えることが狙いだろう。
物語の劇中に、監禁されたCIAエージェントを救出して、ジャングルから水上へ脱出するシーンでは、ミシシッピ州のジョン・C・ステニス宇宙センターで撮影され、アメリカ海軍特殊戦コマンド隷下のSBTである特殊舟艇チーム22のメンバーが脱出するNavy SEALsの隊員をサポートするために機関銃などの実弾を使用した。
これは、Navy SEALsが他の軍種との緊密な連携を見せることに、Navy SEALsの少数精鋭な作戦行動を作品に反映させることができる。
そして、Navy SEALsの本質を映画に描写させることにより、リアリティ要素を含む要因の一つとなるだろう。
人を魅了する画の方法
脚本・演技といった方法を使い、映画を見る人にリアリティを与える方法があるが、他にも見る人へのリアリティを与える方法が存在する。
それは、映画の撮影方法である。映画の撮影では、フィルム撮影とデジタル撮影の2種類が存在する。
近年では、デジタル撮影が映画業界の主流となっているが、一部の映画製作者達の中では、今でもフィルム撮影を継続して映画製作に取り入れている人達がいる。
テネット(2020年公開)、インターステラー(2014年公開)を製作したことで有名なクリストファー・ノーランもその一人である。
彼は、映画を見る人たちの想像を凌駕するために、ダークナイト(2008年公開)で商業映画では初めてとなるIMAXフィルムを使用した撮影を実行した。
IMAXフィルムは、通常の映画フィルム(35mmフィルム)とは規格が違い、フィルム面積が通常の8~10倍のサイズとなっている。
フィルム面積が大きくなることから、映画の解像度もキレイになり鮮明となる。
このIMAXを使用することにより、映画を見ている人達は通常の映画フィルムで撮られたシーンよりも、圧倒的なクオリティで映画を見ることができるのだ。
ノーラン監督の徹底したリアリティ追求の結果、ダークナイトは2008年度のアカデミー賞撮影賞を受賞した。
3つの要素に共通する魅力
脚本・演技・撮影の3つの要素に共通するものは、映画製作を行う人の情熱がいかに作品へ取り込まれているかだろう。
その情熱が作品へ取り込まれることにより、映画を見る人達を感心させることに違いない。